〒567-0801大阪府茨木市総持寺1丁目3-2
総持寺クリニックビル3階
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日/祝 |
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※休診日:水曜日午後、土曜日午後、日・祝
※電話受付:8:45~12:00 / 15:45~19:00 / 土曜日のみ 8:45~13:00
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肩こりと腰痛が長年治らなくて、先日テレビで「ハイドロリリース」という注射を見ました。筋膜リリース注射とも言うらしいのですが、整形外科で受けられるのですか?保険は効きますか?何回くらいやれば効果が出ますか?

当院でも行っています。エコーで確認しながら癒着した神経や筋膜に生理食塩水を注射して、痛みの原因となっている筋膜の緊張をほぐす治療です。保険適用で受けられます。ただ効果には個人差があるので、まず一度試してみて効果を確認しながら進めていきましょう。
整形外科分野でよく用いられる注射療法として、トリガーポイントブロック、関節内注射、腱鞘内注射、神経ブロックなどがありますが、ハイドロリリースは近年エコーの解像度の進歩と知識の蓄積により注目を浴びるようなった注射療法のひとつです。
ハイドロリリース(筋膜リリース注射)とは、筋肉を包む膜である「筋膜」が癒着して痛みやこりの原因になっている部分に、エコー(超音波)で確認しながら少量の麻酔薬と主に生理食塩水などを注射して癒着を剥がしたり、神経を圧迫している軟部組織との癒着を開放して神経の滑走を改善して痛みやしびれなどの症状を改善させる治療法です(Hydro=水、Release=解放)。
水を入れるだけで痛みが良くなるのか不思議な感じがしますが、日本はもちろん海外でも積極的に行なわれている注射療法のひとつです。
神経や筋膜は本来なめらかに動くものですが、同じ姿勢が続いたり血行が悪くなったりすることで癒着が生じ、周囲の神経を刺激して痛みやこりを引き起こします。ハイドロリリースはこの癒着を液体で剥がすことで、痛みの根本にアプローチします。
エコーガイド下で行うため、狙った部位に正確に注射できるのでより効果的に血管や神経を避けて安全に施行ことができるのが特徴です。
「筋膜リリース」という言葉は、本来は筋膜の滑りを改善する治療全般を指し、理学療法士による手技やストレッチも含まれます。そのうち、注射で行うものをハイドロリリース(筋膜リリース注射)と呼んでいます。当院では、注射とリハビリを組み合わせることで、より効果が長続きするよう取り組んでいます。
ハイドロリリースが効果的なケースの例として、長年続く神経痛、肩こり・首こり、腰痛、四十肩・五十肩の初期、筋肉の張りや痛みが続く慢性疼痛があります。
同じ部位でも肩関節周囲炎の治療として症状に応じてハイドロリリースだけでなく様々な注射療法が用いられます。肩周囲の圧痛点に対してはトリガーポイント注射、肩関節への関節内注射、肩峰下滑液包炎を生じている病態に棘上筋腱筋膜リリース、健康上神経に対する神経ブロック、腋窩神経に対するハイドロリリースなど様々なブロック療法を駆使して痛みの軽減を図って可動域拡大を目指します。
一方で、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など骨・神経が直接の原因となっている痛みには第一選択としては適さない場合があります。まず、問診・身体所見・レントゲン検査・エコー検査や時にはCT検査・MRI検査党委により痛みの原因を可能な限り明確にした上で適応を判断します。下記によく使用されるハイドロリリース適応疾患や症状について示します。
| 部位 | 主な症状・疾患 |
|---|---|
| 首・肩 | 慢性的な肩こり、首の痛み(頸部痛)、寝違え、緊張型頭痛を伴う肩こり |
| 肩関節 | 肩関節周囲炎(いわゆる四十肩・五十肩)による痛みや可動域制限 |
| 背中・腰 | 筋・筋膜性腰痛、ぎっくり腰の後に残る痛み、背中のこり |
| 臀部・下肢 | 梨状筋症候群などお尻の筋肉が原因の坐骨神経痛様のしびれ・痛み、太ももの張り |
| 肘・手 | テニス肘(上腕骨外側上顆炎)、手根管症候群など神経絞扼性障害 |
| 膝・足 | 変形性膝関節症に伴う膝周りの痛み、足底腱膜炎 |

ハイドロリリースはテレビや雑誌で取り上げられるようになってから、受けてみたいという患者さんが増えました。
当院ではエコーガイド下で正確に神経や筋膜を確認しながら注射を行っています。
一度受けて痛みが大幅に楽になったという方もいますし、数回繰り返すことで効果が安定してくる方もいます。ただしすべての慢性的な痛みに効くわけではありません。まず診察でハイドロリリースが適切かどうかを判断した上で行うようにしています。注射後はリハビリと組み合わせることで、より効果が持続しやすくなります。
痛みが続く場合はお気軽にご相談ください。
エコーで筋膜の癒着部位を確認しながら、少量の麻酔薬を含んだ生理食塩水を注射します。正確に狙った部位に届けられるため、効果が出やすく安全性も高い方法です。それゆえ、効果の程度や持続時間によって症例によっては何度でも繰り返し安全に行なうことが可能です。
注射で痛みが緩和した後、疾患によってはセラピストによるストレッチや運動療法を組み合わせることで効果が持続しやすくなります。痛みが取れたタイミングで体を積極的に動かすことが筋膜の再癒着を防ぐ鍵です。
周辺筋肉のリラクゼーション、関節ストレッチング指導などを行ないます。肩関節周囲炎など関節の拘縮が生じている場合には特に「全く動かない」のではなく、ハイドロリリースや関節内注射、神経ブロックなどを駆使して、痛みが出ない範囲でのバイクトレーニングや水泳など、代替メニューを組み込むのが現代的なリハビリです。
効果は個人差があります。1回で大きく改善する方もいれば、数回繰り返す方が効果が安定するケースもあります。漫然と続けるのではなく、効果を確認しながら治療方針を都度相談して決めていきます。
ハイドロリリースは比較的安全性の高い治療ですが、注射である以上、次のようなことが起こる可能性があります。
次に当てはまる方は、注意が必要で、時に注射を回避すべきケースがあります。事前に必ずお申し出ください。
肩こり・腰痛が数週間から数ヶ月以上続いていてなかなか改善しない場合は受診を検討してください。
マッサージや湿布で一時的には楽になるが繰り返す場合も相談をお勧めします。骨や神経が原因の痛みには適さないため、まず診察で確認します。
長年続く肩こり・腰痛に悩んでいる方、一度ご相談ください。
細い針を使用し、エコーで確認しながら行うため痛みは最小限です。注射時に軽い圧迫感を感じる方もいますが、多くの方は問題なく受けられています。
個人差があります。1回で大きく改善する方もいれば、数回繰り返すことで効果が安定する方もいます。漫然と繰り返すのではなく、効果を確認しながら回数を判断します。
神経ブロックは痛みを伝える「神経」の近くに局所麻酔薬を注入し、痛みの信号を一時的に遮断する治療です。
トリガーポイント注射は、押すと痛む点(圧痛点)に局所麻酔薬を注射する治療で、主に触診を頼りに行います。痛みの悪循環を断ち切る効果があり、ぎっくり腰や神経痛など強い痛みで特に力を発揮します。ハ
イドロリリースは神経や筋膜の癒着を剥がすことが目的で、主に生理食塩水を使用します。ブロック注射は神経や関節周囲に麻酔薬や強力な抗炎症作用のあるステロイドを注射して痛みを遮断するもので、目的と対象が異なりますが、実際には厳密に両者を区別することは困難です。
当院ではどちらも対応しており、原因や部位、病態によって使い分けを行なっております。
解剖の知識と注射の経験、エコー機器と技術が必要なため、対応していない医療機関もあります。当院ではエコーガイド下でのハイドロリリースに対応しており、適応を考えたうえで希望する患者さんには積極的に注射を行ないます。

中谷 宏幸
整形外科医、リウマチ医
整形外科専門医、日本リウマチ学会専門医・指導医。大阪大学医学部整形外科教室に入局リウマチグループに所属して、リウマチ医、下肢人工関節、足の外科医として基幹病院での勤務医を経て2022年なごみ整形外科リウマチクリニックを開業
リウマチ性疾患の薬物治療、関節疾患(特に下肢関節)ペインクリニック(エコーガイド下ブロック・ハイドロリリース)、骨粗しょう症治療、足・膝・股関節、小児整形、リハビリテーション
日本リウマチ学会奨励賞
ISTU(国際超音波治療学会)Young investigator`s awardなど