〒567-0801大阪府茨木市総持寺1丁目3-2
総持寺クリニックビル3階
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※電話受付:8:45~12:00 / 15:45~19:00 / 土曜日のみ 8:45~13:00
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小学4年生の娘の姿勢がずっと気になっています。猫背がひどいのと、最近着替えのときに背中が少し曲がっているように見えて。友人から「側弯症かもしれないから整形外科に行ったほうがいい」と言われたのですが、姿勢の問題って整形外科で診てもらえるものですか?

はい、大丈夫です。ただ猫背と側弯症は別の問題で、対応がかなり違います。特に背中の曲がりが気になるなら、まずレントゲンで背骨の状態を確認してからでないと判断できません。一度整形外科を受診してください。
背骨が心配な親御さんへ。
姿勢の問題は整形外科で診ることができます。ただ「猫背」と「側弯症」は似て非なるもので、混同されているケースが多いです。この記事では両者の違いと、受診のタイミングについて解説します。
猫背(円背)は脊柱における前後の姿勢の問題です。背骨自体の形には異常がなく、筋力の低下や長時間のスマホ・デスクワークなどの生活習慣が原因のことがほとんどです。意識や運動で改善できるケースが多く、大多数の方にとって緊急性は高くありません。
側弯症は背骨が左右に曲がった状態で、専門医や側弯を見慣れた方であれば予測可能です。学校検診で指摘されることが多いですが、親御さんが心配して来院されるケースもあります。胸椎及び腰椎のレントゲンで確定診断できます。10歳前後の女子に多く、成長期に急速に進行することがあるため早期発見が重要です。特に初潮前の女児では注意が必要です。外から見ると「姿勢が悪い」「猫背」に見えることがあり、区別がつきにくいのが厄介なところです。
後ろ向きで裸で立ってもらい、肩・肩甲骨・骨盤の位置、ウェストのくびれに左右差がないかチェックしてください。次にお子さんに手を合わせて前に伸ばし、足をそろえて前に90度お辞儀をしてもらい、後ろから背中を見てください。左右どちらかの背中や肋骨が盛り上がって見える場合は側弯症の可能性があります。ただしこれはあくまで目安で、確定診断にはレントゲンが必要です。テニスや野球などのスポーツに従事しているため、筋肉の発達に左右差がある場合にはみかけの側弯とみなされることがあります。

姿勢を心配して来院される親御さんで多いのが3つのパターンです。学校健診で側弯症の疑いを指摘されたケース、着替えのときに背中の非対称に気づいたケース、猫背がひどくて本人が肩こりや腰痛を訴えているケースです。当院ではレントゲンで背骨の角度(コブ角)を計測した上で、経過観察でよいのか装具が必要なのかを判断します。側弯症は発見が早いほど選択肢が広がります。猫背だと思っていたら側弯症だったというケースも珍しくないので、背中の非対称が気になったら早めに受診してください。
お子様の姿勢が気になるならまずはご相談ください
「うちの子、いつも背中が丸い」という相談は非常に多くいただきます。猫背には大きく2つのタイプがあり、姿勢性後弯」と「構築性後弯」に分かれます。治療方針が全く異なるため区別が重要です。体幹筋力の強化と姿勢改善のための運動指導を理学療法士が行います。自宅でできるストレッチやトレーニングも指導します。
ほとんどの猫背はこれに該当します。長時間のスマホ・タブレット・ゲーム、悪い座位姿勢、運動不足、腹背筋のアンバランスなどで生じる曲げようとすれば真っすぐになる猫背です。骨には構造異常がなく、姿勢指導と運動療法で改善が見込めます。
10〜15歳の思春期に発症する椎体の楔状変形を伴う真の後弯症で、仰向けに寝ても背中の丸みが残るのが特徴です。X線で3個以上の椎体が5°以上楔状化していると診断されます。背部痛を伴うことがあり、程度によっては装具療法や手術が必要になります。「反っても真っすぐにならない猫背」は必ず整形外科の受診を。
前屈して背中を横から見る
→ なだらかな曲線なら姿勢性、鋭角に折れるように盛り上がればショイエルマン病を疑い
仰向けに寝てもらう
→ 背中の丸みが消えれば姿勢性、残れば構築性の疑い
側弯症(そくわんしょう)とは、背骨(脊柱)が正面から見て左右にS字またはC字状に曲がり、同時にねじれ(回旋)を伴う変形のことをいいます。胸椎腰椎レントゲン正面像でコブ角(背骨の曲がりの角度)が10度以上を示します。原因不明の「特発性側弯症」が全体の約80%を占め、なかでも思春期(10〜15歳前後)に発症する思春期特発性側弯症(AIS: Adolescent Idiopathic Scoliosis)が最多です。女児にやや多く、成長スパートに合わせて急速に進行することがあります。
そのほか、生まれつき椎体の形に異常がある先天性側弯症、脳性麻痺・筋ジストロフィーなどに伴う神経・筋原性側弯症、姿勢の悪さで一時的に曲がる機能性側弯症(原因を除けば戻る)などがあります。
コブ角(背骨の曲がりの角度)によって対応が変わります。大まかな基準は以下の通りです。
多くの場合は経過観察か装具療法で対応できます。当院では側弯と診断された患者さんに対しては定期的な経過観察と希望される患者さんにはセラピストによる姿勢矯正指導を行ないます。シュロス法(Schroth method)に代表される側弯症特異的運動療法(PSSE)は、装具療法の補助として体幹の非対称性・呼吸パターンの改善に有用とされます。ストレッチや筋トレ単独で構造的側弯を治すことはできませんが、姿勢保持筋の強化・柔軟性の維持は治療全体の成功に寄与します。
また、当院の装具外来で保険適用のコルセット処方にも対応しています。高度な側弯やダブルカーブ(S字カーブ、右に凸と左に凸とが混在)の難治症例では小児専門医療機関に紹介します。
学校健診で側弯症の疑いを指摘された場合は早めに受診してください。着替えのときに背中の非対称に気づいた場合も受診を推奨します。猫背がひどく肩こりや腰痛を訴えている場合も受診を検討してください。姿勢は気になるが症状はない場合はまず様子見でよいですが、気になるなら相談ください。
背中の曲がりが気になったら、早めにレントゲンを
成長が止まれば進行も止まることがほとんどですが、成長期に放置すると曲がりが固定されてしまうことがあります。特に初潮前の女子では注意が必要です。発見が早いほど装具療法が有効で、手術を避けられる可能性が高まります。
猫背自体は姿勢の問題のため、手術や装具ではなく運動療法と姿勢指導が中心になります。まれにショイエルマン病の診断に至る例や、ただ猫背に見えて実は側弯症というケースもあるため、一度レントゲンで確認することをお勧めします。
学校健診は簡易的な検査のため、見落とされることがあります。背中の非対称が気になる場合は健診の結果にかかわらず受診してください。
1日16〜23時間の装着を成長終了まで続けます。数年単位になることが多いです。就寝時を含めてできるだけ長時間着用することが効果的とされています。目的は「今の弯曲を治す」ことではなく、成長期のさらなる進行を止めることにあります。報告では矯正率60〜70%、装着時間を守れた症例で手術移行率が有意に低下することが示されています。当院の装具外来で保険適用の装具を処方しています。

中谷 宏幸
整形外科医、リウマチ医
整形外科専門医、日本リウマチ学会専門医・指導医。大阪大学医学部整形外科教室に入局リウマチグループに所属して、リウマチ医、下肢人工関節、足の外科医として基幹病院での勤務医を経て2022年なごみ整形外科リウマチクリニックを開業
リウマチ性疾患の薬物治療、関節疾患(特に下肢関節)ペインクリニック(エコーガイド下ブロック・ハイドロリリース)、骨粗しょう症治療、足・膝・股関節、小児整形、リハビリテーション
日本リウマチ学会奨励賞
ISTU(国際超音波治療学会)Young investigator`s awardなど