〒567-0801大阪府茨木市総持寺1丁目3-2
総持寺クリニックビル3階
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※休診日:水曜日午後、土曜日午後、日・祝
※電話受付:8:45~12:00 / 15:45~19:00 / 土曜日のみ 8:45~13:00
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長時間のデスクワークが続いてから、首の痛みと手のしびれが出てきました。整骨院に行ったら「むちうちに似た状態」と言われて施術を受けているのですが、2週間経っても改善しません。

デスクワークの長時間の前傾姿勢で首に慢性的な負荷がかかり、むちうちに似た状態になることはあります。
ただ整骨院では画像検査ができないため、手のしびれが筋肉の問題なのか、頸椎ヘルニアや神経への影響なのかが判断できません。2週間改善しないなら、整形外科を受診してレントゲンで頸椎の状態をきちんと確認しましょう。
むちうち(正式名称:頸椎捻挫、外傷性頚部症候群)とは、首への衝撃や過負荷により頸椎周囲の筋肉・靭帯・関節が損傷した状態です。骨折や脱臼とは異なり、レントゲンやMRIなどの検査では異常が認められないことがあります。交通事故のイメージが強いですが、以下のような原因でも同様の状態になることがあります。
生理的な状態では頸椎は緩い前弯のカーブを描いており、頚部に対する外部からの衝撃や頚部~頭部の重みを分散させる機構が働いています。「ストレートネック」は、本来カーブしているはずの頸椎が真っ直ぐになった状態で、首への負荷が慢性的にかかり続けます。むちうちと似た症状が出やすく、「慢性むちうち」と表現されることがあります。一方で勘違いされるのはストレートネックが頚部痛の原因とは限りません。もちろんストレートネックは頚部痛の原因の一つに挙げられますが、頚部痛はそれだけが原因とは限らないのが治療の難しいところです。過去の文献としてはストレートネックと頚部痛にはストレートネックと頚部痛とは直接関係がないという報告が多数あります。一方でストレートネックと頚部痛が関係しているという報告もあり、まだ十分な結論が出ていない状況です。そもそも頚部痛は多くの人が経験したことのある症状である一方頚部痛の統一した定義・客観的な定量化は困難なため、結論を出すのは難しいかもしれません。
重要なのは「骨の形そのもの」というよりも、湾曲が失われることで首の後ろの筋肉(後頭下筋群や僧帽筋)にかかる「メカニカルストレス(機械的負荷)」と「血流障害」だと考えられます。「レントゲン上の骨の形(ストレートネック)そのものが痛みの直接的な原因とは限らないが、一般的には猫背などストレートネックを引き起こす『不良姿勢』と、それに伴う『筋肉の持続的な疲労・過緊張』が痛みの原因である。」と考えられます。
無理やりストレートネックを矯正することは胸椎・腰椎など全脊柱の配列から矯正する必要があり(特に肋骨で胸郭を形成している胸椎の配列を矯正することは極めて困難)、数日・数か月で矯正できるものではない事、たとえ矯正ができても頚部痛が改善するとは限らないこと、代償として別の痛みが出現する可能性に留意しなくてはなりません。
| 症状 | 特徴 |
|---|---|
| 首・肩の痛みやこり | 長時間同じ姿勢の後に強くなる |
| 頭痛 | 後頭部から首筋にかけての鈍痛(筋緊張性頭痛) |
| 手・腕のしびれ | 神経への影響が疑われる場合は要注意 |
| めまい・耳鳴り | 頚部痛が影響することもある |
| 倦怠感・集中力の低下 | 仕事のパフォーマンス低下につながる |
下記のような場合は時に緊急性があり、接骨院に行く前に整形外科受診を優先したほうが良いと考えます
首の痛みだけであれば筋肉・靭帯の問題が多いですが、上肢や肩甲骨部のしびれを伴う場合は頸椎ヘルニアや頚椎症性神経根症など、神経への影響が疑われます。しかししびれのみではあわてる必要はありません。一般的に症状が頚部痛と手のしびれだけであれば経過観察でよいことが多いです。他の鑑別診断としてはギランバレー症候群、脳梗塞、手根管症候群、肘部管症候群、胸郭出口症候群など様々な原因が考えられます。急にしびれ感が出てきたら気になりますよね。長引くしびれ感、しびれの範囲が広がる、強くなる場合には受診して精査が必要です。
これらはむちうちとは治療方針が異なり、レントゲン・MRIでの確認が必要です。放置すると、神経症状が悪化するリスクがあります。手や腕にしびれに加えて頚部~上肢~手の強い痛み・筋力低下・握力低下、歩行障害がある場合は早めに整形外科を受診してください。
急性期頚部痛ではいわゆる「寝違い」による頸椎捻挫が考えられます。必ずしも寝た時の体制が悪くて朝起きたら痛いというわけではありません。まれにる軸椎歯突起周囲の石灰化を特徴とするCrowned dens症候群などがありますが、多くの場合は予後良好で、2週間程度での自然軽快が期待できます。一方で可動域制限が慢性化したり長期間に及ぶ可動域制限がある場合には骨折・頚椎症・頸椎回旋位固定・環軸椎亜脱臼(罹患期間の長い関節リウマチに特徴的)などが生じている可能性があり、精査のうえ原疾患の治療、鎮痛剤・ブロック療法・リハビリテーションの介入が必要な場合があります。
感染や悪性腫瘍を鑑別する必要があります。上記症状を伴う場合、整形外科だけでなく腫瘍内科・感染症内科・膠原病内科にも相談する必要があります。

在宅勤務が増えてから、デスクワークによる首・肩の痛みで来院される方が増えています。整骨院やマッサージに通っても改善しないということで受診されるケースも多く、レントゲンを撮ってみると頸椎のカーブがなくなっていたり、頸椎の神経孔(肩や上肢に枝分かれした神経根が通過する道)の狭小化、すべり症、椎間スペースの狭小化などの所見を認めることがあります。特に手のしびれに加えて上肢の強い痛み・筋力低下・巧緻性障害(手を使いにくい、ものを落としやすい)・歩行障害がある場合は頸椎ヘルニアや脊髄症など重篤な神経症状の可能性があるため、早めに整形外科で確認することをお勧めします。
首の痛みと手のしびれが続いていませんか?
レントゲンで頸椎の状態を確認します。頚部痛や手のしびれだけであればレントゲン所見に異常がなければ様子見か対象療法を優先しますが、上記red flagや症状がある場合は更なる精査が必要な場合があります。頸椎病変が疑われる場合には連携医療機関でMRI検査をご紹介します。
頚部痛を訴えて来院する患者さんの多くは長時間の仕事が習慣化しており、運動習慣が失われている方が多いです。頸椎周辺の筋肉への血流を増やすことが症状の改善につながります。首や肩、腰周囲のストレッチ運動はもちろんですが、手をよく振りながらウォーキングするなど汗をかきながら全身の代謝を促進させるような有酸素運動が有効です。ふだん動く習慣のない方に運動を習慣化させることは非常に大変ですが、心肺機能や精神的安定も期待できる上、あまりお金もかからないので、最も推奨すべき治療方法でしょう。
痛みに応じて消炎鎮痛薬・筋弛緩薬を処方します。湿布も有効な場合が多いのですが、肩周囲に湿布を貼ったまま日光の強烈な紫外線に露出すると光線過敏症などの副作用が生じることがあるので春から夏にかけては特に注意が必要です。慢性化する頚部痛に対しては、弱オピオイド系鎮痛薬であるトラマドール塩酸塩(トラムセット、ツートラム)やSNRI(抗うつ薬としても使用される)であるサインバルタなどの鎮痛剤は初期副作用に注意して使用すれば劇的に改善する方がいますので一度試してみてもいいかもしれません。また、漢方薬で劇的な効果がある患者さんもいますので、あきらめずにいろんな治療法を試してみましょう。
鎮痛剤なんてその時だけ痛みをとるけど根本的な治療ではないので意味がないと言われる患者さんがいます。しかし、手術以外の根本治療はありません。外来でできる治療の多くは対症療法ですが、対症療法で痛みが完全に改善する方が多くいます。原因不明の慢性化した痛みの多くは中枢感作が原因であると考えられます。痛みの慢性化を防ぐために、痛みに感作された脳に対して、鎮痛剤やリハビリ、ブロック療法によって一度脳への痛み刺激を遮断することができれば痛みがないというシグナルを脳に送ることによって。薬がなくなってからも痛みの改善が維持する可能性があります。副作用の少ない薬剤で痛みが抑えられるなら長く服用してもいいかもしれません。
牽引療法や低周波治療を行ない疼痛緩和を図ります。長引く痛みや頸椎可動域制限に対してはリハビリテーション介入により頸椎周囲の筋肉の緊張緩和・可動域改善と、デスクワーク時の姿勢改善指導による脊椎アライメント改善を行います。理学療法士が個別プログラムを組みます。
頸部・肩周囲の筋膜の緊張が強い場合、エコーガイド下でのハイドロリリースや筋膜リリースが有効なケースがあります。その他トリガーポイントブロックや星状神経節ブロック(SGB)、頚部神経根ブロックなどを駆使して鎮痛を目指します。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 首・肩の痛みが2週間以上続く | 受診を推奨 |
| 手・腕のしびれがある | 急がなくてもよいが、症状悪化するなら受診 |
| 頭痛・めまいを伴う | まず脳神経内科や耳鼻科受診を推奨 |
| 整骨院・マッサージで改善しない | 整形外科での診断を推奨 |
| 仕事に支障が出ている | 鎮痛処置が必要、早めに受診 |
| 上肢・頚部周囲に強い痛み、筋力低下、歩行障害 | 神経症状かも?可能な限り早く受診 |
なごみ整形外科リウマチクリニックでは、整形外科・リウマチ・リハビリテーションの専門知識を活かし、患者さんのライフスタイルに合わせた無理のない治療プランをご提案いたします。長引く首や肩の痛み、しびれでお困りの方は、ぜひお気軽に当院へご相談ください。
「ずっと肩こりだと思っていた」が実は頸椎の問題だったケースも。早めにご相談を。
姿勢が原因のことが多いですが、頸椎ヘルニアやストレートネックなど骨・神経の問題が重なっているケースもあります。痛みが続く場合はレントゲンで確認することをお勧めします。
ストレートネックは頸椎のカーブが失われた状態で、むちうちの原因・背景になることがあります。ストレートネック自体は病名ではなく状態の名称で、症状がある場合は整形外科での診断が必要です。
筋肉の緊張緩和には有効ですが、頸椎ヘルニアや神経症状が原因の場合は根本的な改善にならないことがあります。上記red flagの症状がある場合は特に整形外科での診断を優先してください。
頸部の痛みにはトリガーポイント注射のほうが効果があるケースが多いです。そのほか椎間関節ブロックや星状神経節ブロックなどがあります。肩周囲の筋膜の緊張が強い場合、エコーガイド下でのハイドロリリースが有効なケースがあります。当院では患者さんの症状に応じて様々なブロック治療で対応しています。

中谷 宏幸
整形外科医、リウマチ医
整形外科専門医、日本リウマチ学会専門医・指導医。大阪大学医学部整形外科教室に入局リウマチグループに所属して、リウマチ医、下肢人工関節、足の外科医として基幹病院での勤務医を経て2022年なごみ整形外科リウマチクリニックを開業
リウマチ性疾患の薬物治療、関節疾患(特に下肢関節)ペインクリニック(エコーガイド下ブロック・ハイドロリリース)、骨粗しょう症治療、足・膝・股関節、小児整形、リハビリテーション
日本リウマチ学会奨励賞
ISTU(国際超音波治療学会)Young investigator`s awardなど
1)MannionらThe association between cervical spine curvature and neck pain.
出典European Spine Journal, 16(5), 595-605.
内容:頚部痛がある患者(107名)と無症状の健常者(100名)のレントゲン画像を比較した結果、頚椎前弯の消失(ストレートネック)や後弯などのアライメント異常と、首の痛みの有無には統計的に有意な関連性がないと結論
2)熊谷らAssociation between roentgenographic findings of the cervical spine and neck symptoms in a Japanese community population.
出典Journal of Orthopaedic Science, 19(3), 390-397.
内容:無症状の健康な人であっても高頻度で頚椎のストレート化やアライメント異常が認められることを報告
3)McAvineyらDetermining the relationship between cervical lordosis and neck complaints.
出典Journal of Manipulative and Physiological Therapeutics, 28(3), 187-193.
内容:頚椎の前弯角度が「20度未満」に減少している(より真っ直ぐに近い)患者群は、正常な前弯を保っている群と比較して、首の痛みなどの症状を訴える割合が有意に高いことを示した