〒567-0801大阪府茨木市総持寺1丁目3-2
総持寺クリニックビル3階
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※電話受付:8:45~12:00 / 15:45~19:00 / 土曜日のみ 8:45~13:00
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2週間ほど前から右肩が痛くて、特に夜寝るときに激しく痛みます。横向きに寝ると痛くて目が覚めてしまいます。腕を上げると肩の辺りが引っかかる感じもあります。友人から「四十肩じゃないか」と言われましたが、四十肩って病院で治療できるのですか?それとも放っておけば治りますか?

夜間の強い肩の痛みは四十肩(肩関節周囲炎)の典型的な症状ですが、腱板断裂など別の疾患でも同様の症状が出ます。「放っておけば治る」は半分正解で半分誤りです。適切な時期に適切な治療を受けないと、関節が固まって動かなくなる「凍結肩」に移行することがあります。一度整形外科で診断を受けることをお勧めします。
四十肩・五十肩は医学的に「肩関節周囲炎」と呼ばれる疾患です。肩関節周囲の組織(関節包・腱・滑液包など)に炎症が起き、痛みと可動域制限が生じます。40〜60代に多く、はっきりとした原因がないまま発症することが特徴です。
| ステージ | 特徴 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 炎症期 | 安静時・夜間も強く痛む | 数週間〜数ヶ月(1~3ヶ月) |
| 拘縮期 | 痛みは落ち着くが肩が固まって動かない | 数ヶ月(1~3ヶ月)〜1年 |
| 回復期 | 徐々に動きが戻ってくる | 数ヶ月〜1年以上 |
半数程度の症例では、治療せず放置した場合でも自然に回復することはありますが、拘縮期に適切なリハビリを行わないと肩の可動域が完全に戻らないケースがあります。また炎症期に無理に動かすと症状が悪化します。炎症期にリハビリを行なう場合は注射を併用して痛みを緩和させながらリハビリを行なうことをお勧めしています。特に糖尿病の既往歴がある方は難渋するケースが多いので、早めに受診して頻繁にリハビリ通院することが重要です。
夜間痛の原因としては、仰臥位(仰向け)により肩関節が構造上の問題で下方に引っ張られるために痛みが生じている場合があります。思い切って患部を上にして側臥位になったり、まくらなどで患側の肩後面を持ち上げて、負荷にならないように心がけてください。
夜間の肩の痛みは四十肩以外でも起こります。自己判断は禁物です。
| 疾患 | 四十肩との違い |
|---|---|
| 腱板断裂 | 腕を上げる力が弱くなる。エコー・MRIで確認 |
| 石灰沈着性腱炎 | 突然の激しい痛み。レントゲンで石灰が見える |
| 頚椎症 | 首の動きで症状が変わる。手のしびれを伴うことも |
| 頚肩腕症候群 | 頚部筋緊張が強いと肩の可動域制限が生じることがある |
| 肩鎖関節炎 | 肩の上部(肩鎖関節)に圧痛 |
| リウマチ性多発筋痛症 | 両上腕部の痛みを訴えることが多いです |
特に腱板断裂は見逃されやすく、「四十肩だと思って放置していたら腱板が完全断裂していた」というケースが整形外科では珍しくありません。腱板断裂は可動域特に第一外旋などの可動域が保たれている、棘上筋テスト陽性、エコーで腱板断裂を直接観察するなどの方法で鑑別が可能です。

夜間痛を主訴に来院される50代の患者さんは非常に多いです。受診のきっかけは『眠れないほど痛くなってきた』というケースがほとんどです。当院ではエコー検査を用いて腱板の状態をその場で確認できるため、四十肩なのか腱板断裂なのかを初診時にある程度判断できます。四十肩と腱板断裂では症状が似通っているため、同じ治療方針で行なうことが多いですが、腱板損傷は手術療法で早期回復が期待できます。炎症期の夜間痛には、エコーガイド下での肩峰下滑液包への注射が有効で、多くの患者さんで夜間痛が大幅に軽減します。
夜眠れないほどの肩の痛み、我慢しないでください。
消炎鎮痛薬の内服・外用薬で炎症を抑えます。私見ですが、夜間痛に対してはトラムセット・ツートラムなどの弱オピオイド鎮痛薬の併用が有効な例もあります。
炎症期の強い夜間痛に対して、エコーで確認しながら注射を行います。痛みが軽減することで睡眠と日常生活の質が改善します。肩峰下滑液包や関節内注射、肩甲上神経・腋窩神経へのハイドロリリースなど症状に応じて注射を駆使して痛みを軽減させながらリハビリテーションを行ないます。
拘縮期〜回復期にかけて、理学療法士による関節可動域訓練・ストレッチを行います。炎症期に無理に動かすのは禁物のため、注射や薬物療法で痛みを軽減させながらステージに合わせた適切なリハビリが重要です。
炎症期は患部を冷やさない・無理に動かさない、回復期は毎日のストレッチを継続するなど、ステージごとの正しいセルフケアを指導します。リハビリや注射よりも毎日の適切な可動域訓練が重要です。
頸椎C5/C6神経根ブロックを行なったうえで、肩関節を徒手的に大きく動かして関節包の癒着を剥がします(徒手療法)。施行直後劇的に関節可動域の改善が見込めます。基本的には外来で行なわれます。施行後数日間痛みが続くことがありますが、術後のリハビリを怠らずに続けることが重要です。合併症として注意すべき点は、施行後リハビリを怠ると可動域制限が再燃する事、ごくごくまれに上腕骨の骨折が生じることがあり、骨粗しょう症の患者さんは控えるべき事でしょう。
肩関節周囲のモヤモヤ血管が痛みの原因になっている可能性があり、栄養血管の動脈に抗生剤を注入することで痛みが軽減される可能性があります。動注療法は自由診療で行なわれます。
全身麻酔下マニピュレーション(徒手療法)を行なったり、鏡視下に癒着した関節包を剥がす処置を行ないます。肩関節専門病院へ紹介して行われ、多くの病院では入院治療が必要な手術です。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 夜間に肩が痛くて眠れない | 早めに受診 |
| 腕が上がらなくなってきた | 受診を推奨 |
| 2週間以上痛みが続いている | 受診を推奨 |
| 突然激しい肩の痛みが起きた | すぐに受診(石灰沈着の可能性) |
| 腕の力が入りにくくなった | 早めに受診(頚椎症・腱板断裂の可能性) |
夜間の肩の痛み、早めの治療で改善を
約半数程度の症例で、治療を行なわず自然回復することはありますが、1〜3年かかるケースもあります。また拘縮期に適切なリハビリを行わないと、肩の動きが完全に回復しないことがあります。治療を受けることで回復期間を短縮できます。
炎症期(安静時・夜間も強く痛む時期)に無理にストレッチをすると悪化することがあります。基本的には痛みのない範囲での運動が推奨されていますが、ブロック療法を併用すると痛みを和らげたうえで治療が可能になります。注射がどうしても嫌なら、痛みが強い炎症期は無理に可動域訓練は行なわず、痛みが落ち着いてきた拘縮期から、理学療法士の指導のもとで始めることをお勧めします。
症状の程度によりますが、数回の注射とリハビリの組み合わせで改善するケースが多いです。症例によっては注射だけで根本治療にはならないため、リハビリとの併用が重要です。
四十肩(肩関節周囲炎)そのものは保存療法で対応できます。ただし高度拘縮が続いている場合、糖尿病などのリスクファクターがあるため予後不良である場合は諦めて手術療法をお勧めしています。一方で腱板断裂が合併している場合、断裂の程度によっては手術を専門医に相談することがあります。

中谷 宏幸
整形外科医、リウマチ医
整形外科専門医、日本リウマチ学会専門医・指導医。大阪大学医学部整形外科教室に入局リウマチグループに所属して、リウマチ医、下肢人工関節、足の外科医として基幹病院での勤務医を経て2022年なごみ整形外科リウマチクリニックを開業
リウマチ性疾患の薬物治療、関節疾患(特に下肢関節)ペインクリニック(エコーガイド下ブロック・ハイドロリリース)、骨粗しょう症治療、足・膝・股関節、小児整形、リハビリテーション
日本リウマチ学会奨励賞
ISTU(国際超音波治療学会)Young investigator`s awardなど