〒567-0801大阪府茨木市総持寺1丁目3-2
総持寺クリニックビル3階
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※休診日:水曜日午後、土曜日午後、日・祝
※電話受付:8:45~12:00 / 15:45~19:00 / 土曜日のみ 8:45~13:00
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3日前から腰が痛くて、市販の湿布を貼っているのですが良くなりません。仕事はデスクワークなのですが、長時間座っていると特につらいです。ぎっくり腰ではないと思うのですが、このまま湿布で様子を見ていいですか?

3日経っても改善しないなら、一度診ておいたほうがいいタイミングです。湿布は痛みを和らげますが、原因を治療するものではありません。腰痛には骨や神経が原因のものも含まれていて、放置すると悪化するケースもあります。レントゲンで確認しましょう。
湿布(消炎鎮痛外用薬)は炎症を抑えて痛みを和らげる効果がありますが、腰痛の原因そのものを治すわけではありません。筋肉の疲労や軽い炎症が原因の腰痛であれば、安静と湿布で1〜3日程度で改善することがほとんどです。
ただし3日以上経っても改善しない場合は、湿布だけで様子を見るのはお勧めしません。腰痛の原因は筋肉・靭帯の問題だけでなく、椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・圧迫骨折など骨や神経の問題が隠れていることがあります。これらは湿布では改善せず、適切な治療が必要です。
筋筋膜性腰痛は疲労や姿勢が原因の最も多いタイプで、安静と湿布で改善することが多いです。
多くの筋筋膜性腰痛は安静にすれば3日程度たてば軽快傾向に向かうことが多いですが、改善しない場合は他の原因も考えた方がいいでしょう。
変形性腰椎症、椎間関節障害、仙腸関節炎、腰椎椎間板ヘルニアなど原因は様々です。椎間板ヘルニアは神経を圧迫するため足のしびれを伴うことがあります。脊柱管狭窄症は歩くと足がしびれ、休むと楽になるのが特徴です。圧迫骨折は骨粗しょう症がある方に多く、特定の動作で激しく痛みます。
次のような症状がある場合は早期に治療介入が必要な疾患が隠れている場合があるので、早期受診をお勧めします。
下肢の強い痛み、筋力低下、尿失禁や便失禁、排尿排便困難(膀胱直腸障害)などの重篤な神経症状が出現した場合は腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、脊椎・脊髄腫瘍、遅発性脊椎圧迫骨折などを考慮する必要があります。筋力低下や膀胱直腸障害を放置しておくと元の状態に回復しなくなる可能性があるので早急な精査と治療が必要です。激しい腰痛に加え、しびれ、感覚障害、筋力低下などが生じます。治療としては、腫瘍を取り除く手術がおこなわれます。
大人と異なり幼少期は変性や骨折などは一般的には否定されるので、腰痛は注意が必要です。幼少時の先天性疾患、特に学童期での腰痛は特発性側弯症、スポーツを頑張っているお子さんでは疲労骨折に当たる分離症に注意が必要です。また、頻度はまれですが、後述する炎症性腰痛の可能性もあり注意が必要です。
時間や活動に関係のない腰痛は消化器疾患、尿管結石など内臓疾患による痛みを考慮しなくてはなりません。内臓疾患は整形外科の専門外になりますが、よく相談に来られます。消化器なら消化器の症状が先行する場合が多いですが、無症状の場合もあります。腰痛の原因となりうる内臓疾患として代表的なものとして尿管結石、膵炎、子宮筋腫・内膜症、大動脈解離、帯状疱疹などがあります。通常筋骨格の障害による腰痛は体動時に悪化し安静によって軽快しますが、内臓疾患の場合は肢位や体勢に関係なく痛いのが特徴です。
癌の既往のある方は転移性脊椎腫瘍に注意が必要です。原発性脊椎腫瘍はまれで、脊椎から発生する腫瘍です。一方で割合としては転移性脊椎腫瘍が圧倒的に多く、背骨以外にできた悪性腫瘍、つまり癌が血液やリンパによって背骨に運ばれ、転移した腫瘍です。放っておくと椎体の圧壊が進行して麻痺が生じることがあり、麻痺が生じた場合は固定術などの手術が必要ですが、予後は不良ですので神経症状が出る前に早期発見が重要です。
ステロイドは少量であっても長期にわたると破骨細胞の活性化と骨芽細胞の抑制により骨折リスクが高まります(ステロイド性骨粗しょう症)。また、糖尿病、慢性呼吸器疾患、腎不全の既往歴がある場合骨質劣化による骨折リスクが高いので、注意が必要です。
疾患や治療薬によって免疫不全状態になっている場合、腰部周囲の骨・椎間板・筋肉などに感染が生じる場合があります。感染が生じる場所によって出現する症状は様々です。
栄養状態が急激に悪化した場合は悪性腫瘍または感染症特に脊椎カリエスなどの慢性的な感染症に注意が必要です。また、脊椎圧迫骨折が進行すると亀背が進行し、肺や消化管の行き場がなくなってしまい内臓の機能が低下して食欲低下、心肺機能の低下、全身状態の悪化につながります。
炎症性腰痛は一般的に若い成人(40歳未満)に多くみられる腰痛で、主に炎症に起因するものです。このタイプはしばしば夜間や早朝に悪化し、安静によって軽快せず、運動によって軽快することが多いのが特徴です(そうではない人もいるので注意が必要です)。炎症性腰痛は脊椎関節炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、炎症性腸疾患、未分類の脊椎関節症などの疾患の症状である可能性があります。
腰部周辺の感染症を疑う必要があります。腰痛を引き起こす感染症で最も注意が必要なのは、化膿性脊椎炎と脊椎カリエスです。また、腸腰筋膿瘍など傍脊柱筋肉内に生じた膿瘍が腰痛の原因になることもあります。

腰痛で来院される患者さんの中で多いのが、1〜2週間湿布で様子を見ていたが改善しなかったというケースです。受診してレントゲンを撮ると、圧迫骨折や椎間板の著しい狭小化が見つかることがあります。
特にデスクワークで長時間同じ姿勢をとる方は、腰椎への慢性的な負荷が蓄積しやすいです。3日以上続く腰痛は自己判断せず、一度整形外科でレントゲンを撮ることをお勧めします。
原因がわかれば安心できますし、治療の方向性も明確になります。
自己判断せず、ご相談ください
腰痛の治療で当院が重要視しているのは以下の3点です
結局原因が分からない場合もありますが、自然経過で改善するものかどうかも含めて可能な限り原因となる異常を把握しておくことで最短での解決につながる可能性があります。
病院では問診、身体所見の診察、レントゲン検査、時にはMRI検査や血液検査が必要です。特にレッドフラッグの症状や既往症がある場合にはまず病院やクリニックへの受診をお勧めします。
腰痛は様々な要因で発生します。元々腰痛が生じやすい疾患をもっている人はもちろん、仕事や運動内容だけでなく生活習慣などの改善も必要ですし、人によって治療のアプローチも様々です。
腰痛はどんな健康な人でも起こりうる事です。人が生涯に経験する主訴として、腰痛は男女ともに最も多い主訴です(厚生労働省 国民生活基礎調査2026年)。
腰痛が起こることはある程度やむを得ないことですが、最も重要なのは慢性化させない(長引かせない)事です。腰痛を「様子を見ていたらじきに治る」と放置していたら、腰痛の原因が改善されないだけでなく、中枢感作が生じて、原因となる部位の障害・炎症が改善されてからも、脳が痛いと錯覚し続けてしまい、痛みが残ります。慢性化した腰痛は治療にも長い期間を要します。慢性化させないためにも腰痛は初期治療が非常に重要です。
問診、身体所見の精査で大方の診断を付けたうえで、レントゲンで骨の状態を確認します。神経症状がある場合は連携医療機関でMRI検査をご紹介します。
消炎鎮痛薬の内服・外用薬を処方します。市販の湿布より効果の高い処方薬があります。鎮痛剤にはロキソニンのような消炎鎮痛剤だけでなくノイロトロピン、筋弛緩薬、アセトアミノフェンのような鎮痛薬と、慢性化した時に効果が期待できる弱オピオイド(ツートラムなど)やSNRI(デュロキセチンなど)、下肢痛など神経症状に効果がある薬剤(リリカなど)様々な薬剤があります。痛みは我慢する必要はありません。痛みのある方は副作用に注意しつつ積極的に鎮痛剤を使いましょう。
腰部の安静を保ち、正しい姿勢の保持、腰部周辺筋肉のサポートのため腰椎ベルトを処方することがあります。主に仕事中など痛みが出る動作を強いられる時に着用していただきます。一方でベルトのようなサポーターに頼り切ってしまうと体幹の筋力低下につながる可能性があります。就寝時や仕事・労作以外のの時はなるべく外していただく方がいいでしょう。
腰部の筋膜の緊張が強い場合、エコーガイド下でのハイドロリリース、筋膜リリースや部位に応じて仙腸関節ブロック、椎間関節ブロックや仙骨ブロックなど原因に応じたさまざまなブロック治療を行なっており、注射内の成分も様々です。急性期の腰痛にも慢性腰痛にも有効なケースがあります。
急性期では安静が優先ですが、低周波治療などの温熱療法、牽引療法などの物理療法は比較的安全に鎮痛効果が得られます。痛みが落ち着いてから、痛みが続いている人については腰椎周囲の筋力強化と姿勢改善のためのリハビリを行います。デスクワークの方には座り方・環境の見直し指導も行います。ただし単なるマッサージは行なっておりませんので、マッサージを希望される場合はお問い合わせの上マッサージ店や接骨院の一部で施術依頼されてはいかがでしょうか。
湿布で3日様子を見て改善しなければ、整形外科を受診するタイミングです。
市販の湿布・鎮痛薬でも一定の効果はありますが、処方薬は有効成分の含有量が多く、より高い効果が期待できる可能性があります。また鎮痛薬には市販されていない様々な薬があり、痛みの原因によって適切な薬が異なるため、整形外科で処方を受けることをお勧めします。たとえ市販薬が効果があったとしても長期処方には慎重にすべきと考えます。
すべての腰痛にMRIが必要なわけではありません。椎間板ヘルニアの有無を心配される方がいらっしゃって、すぐMRI検査を希望される方がいらっしゃいますが、たとえ椎間板ヘルニアがあったとしても、ヘルニアが原因とは言えず、対応としては対症療法となります。急性腰痛症の場合は特にMRIを取りに行った頃には腰痛は軽快していることも多く認められます。まずレントゲンと問診で判断し、レッドフラッグサインがある場合、下肢の痛みや間欠性跛行や筋力低下など神経症状を疑う所見がある場合に連携医療機関でのMRI検査をご紹介します。
当院では物理療法(牽引・低周波治療など)と運動療法(理学療法士による個別指導)を組み合わせて行います。理学療法では痛みの原因となっている筋肉や関節部分のリラクゼーションを行ない、鎮痛を図りつつ、ストレッチ指導や腹筋背筋インナーマッスルの強化を図ります。デスクワークの方には座り方や机・椅子の高さの見直しなど、職場環境の改善アドバイスも行っています。
ぎっくり腰(急性腰痛)は突然の激しい痛みが特徴で、腰部の筋肉や靭帯の急性炎症が原因のことが多いです。慢性的な腰痛とは発症の仕方が異なりますが、どちらも放置せず整形外科で原因を確認することをお勧めします。

中谷 宏幸
整形外科医、リウマチ医
整形外科専門医、日本リウマチ学会専門医・指導医。大阪大学医学部整形外科教室に入局リウマチグループに所属して、リウマチ医、下肢人工関節、足の外科医として基幹病院での勤務医を経て2022年なごみ整形外科リウマチクリニックを開業
リウマチ性疾患の薬物治療、関節疾患(特に下肢関節)ペインクリニック(エコーガイド下ブロック・ハイドロリリース)、骨粗しょう症治療、足・膝・股関節、小児整形、リハビリテーション
日本リウマチ学会奨励賞
ISTU(国際超音波治療学会)Young investigator`s awardなど