〒567-0801大阪府茨木市総持寺1丁目3-2
総持寺クリニックビル3階
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日/祝 |
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| 9:00~12:00 | ● | ● | ● | ● | ● | 13:00 まで |
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| 16:00~19:00 | ● | ● | ● | ● |
※休診日:水曜日午後、土曜日午後、日・祝
※電話受付:8:45~12:00 / 15:45~19:00 / 土曜日のみ 8:45~13:00
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毎日暑い日が続きますね。連日熱中症警戒アラートが発令され、多くの方にとって屋外でウォーキングやランニングなどの運動したいと思っても屋外での運動は危険です。
一方で冬季は冬季でしっかり寒くなるので、日本は快適に屋外ウォーキングできる期間が非常に短いのが多くの人の悩みの種かと思います。
「膝が痛くて歩くのが辛い」「術後のリハビリで何をすればいいか分からない」「運動不足を感じるけれど、外を歩くのは天気に左右される」
そんなお悩みをお持ちの方に、当院が特におすすめしているのが エアロバイク(自転車エルゴメーター) です。
本コラムでは、リハビリテーション医学の観点から、対象者別の使い方と目標心拍数の目安、そしてエアロバイクを継続するためのポイントを、エビデンスを交えてご紹介します。
体重が座面(サドル)で支えられるため、下肢へのインパクトが最小化されます。ウォーキングと比較して膝関節にかかる圧縮力は約1/3以下と言われており、変形性関節症の患者さんでも安全に実施できます。膝や股関節の可動域制限がある方でもサドルの高さを調整するとこで利用可能です。
屋内で年中安全に実施でき、雨・雪・猛暑・寒波などの理由で運動を中断せずに済みます。「継続しやすさ」 はエクササイズ・リハビリテーションにおいて最も重要な要素の一つです。
電磁式または摩擦式の負荷装置により、0〜数十段階の細かな調整が可能。患者さん一人ひとりの体力・術後ステージ・当日のコンディションに合わせて即座に変更 できます。
運動は継続が重要なのですが、すぐ飽きてしまいます。すぐにしないでいい理由を見つけてしまい、三日坊主になってしまいます。エアロバイクを継続的な運動するのに最も有用な運動として、個人的には最大のメリットと考えています。スマホなどでまだ見ていないドラマを観たり、音楽を聴きながら運動するとついで運動ができるので、飽きずに続けられます。
| 比較項目 | エアロバイク | ウォーキング |
|---|---|---|
| 関節への衝撃 | 極めて少ない | 体重の約1〜1.5倍が膝にかかる |
| 天候の影響 | なし(屋内) | あり |
| 負荷の細かな調整 | 容易(数値で管理可能) | 難しい(速度・傾斜) |
| 消費カロリー(同時間) | ★★★☆☆ | ★★★★☆(歩行速度による) |
| 全身運動としての効果 | 主に下肢 | 全身 |
| 転倒リスク | 極めて低い | あり |
| 開始のハードル | やや高い(器具が必要) | 低い |
| 継続のしやすさ | ★★★★★ | ★★★☆☆ |
エアロバイクは万人に有効な運動器具ですが、特に以下の5つのタイプの患者さんには積極的にお勧めしています。それぞれ 目的が異なり、推奨される負荷・時間・目標心拍数も変わってくる 点に注意が必要です。
加齢や運動不足により、下肢筋力(特に大腿四頭筋)と全身持久力 が低下すると、転倒・生活機能低下のリスクが上がります。国民生活基礎調査でも、介護が必要となった主な原因の上位に「高齢による衰弱」「骨折・転倒」が挙がっています。
目的: 全身持久力・下肢筋力の向上
推奨: 中負荷で 15〜20分/週3〜5回、「ややきつい」と感じる程度
目標心拍数: 最大心拍数の 60〜70%(60歳の方なら約100〜115拍/分)
Borgスケール: 12〜13(「ややきつい」)
WHOの身体活動ガイドライン(2020)でも、高齢者には 週150〜300分の中強度有酸素運動 が推奨されており、エアロバイクはその実施手段として理想的です。
腰痛・膝痛・下肢のふらつき・耐久性の問題で歩行運動が続かない方、あるいは屋外歩行が苦手な方は、座位で行える有酸素運動 から始めるのが安全です。
目的: 関節への衝撃を避けた有酸素運動の導入
推奨: 座位で安全に、5〜10分から開始し徐々に延長
目標心拍数: 最大心拍数の 40〜60%(70歳の方なら約75〜90拍/分)
Borgスケール: 11〜12(「楽である」〜「ややきつい」)
サドルに体重を預けられるため下肢への衝撃が最小限で、転倒リスクが極めて低い のも利点です。
「痩せたいけれど膝や腰が心配」「ジムのバイクは強度がよく分からない」という方には、脂肪燃焼帯(Fat Burning Zone) を意識した運動をお勧めしています。
目的: 脂肪燃焼・体重管理
推奨: 会話ができる強度 で 20〜30分/週3回以上
目標心拍数: 最大心拍数の 50〜65%(脂肪燃焼帯)(50歳の方なら約85〜110拍/分)
Borgスケール: 11〜13(「楽である」〜「ややきつい」)
低〜中強度の有酸素運動では、脂質のエネルギー基質としての比率が高くなることが知られています(Achtenら, 2002)。ただし総消費エネルギーを稼ぐには一定の時間が必要ですので、20分以上を目安に、週単位で総運動量を管理 することが大切です。
変形性膝関節症(膝OA)のリハビリテーションにおいて、有酸素運動と大腿四頭筋の筋力強化 は最も推奨度の高い保存療法の一つです(OARSIガイドライン2019、日本整形外科学会 変形性膝関節症診療ガイドライン2023)。
エアロバイクは 体重負荷を大きく減らしながら関節を動かせる ため、変形性関節症の運動療法として非常に理にかなっています。
目的: 関節可動域(ROM)の維持・改善、疼痛軽減
推奨: 抵抗をかけずゆっくり回転/痛みのない範囲で 10〜15分
目標心拍数: 最大心拍数の 40〜55%(65歳の方なら約75〜95拍/分)
Borgスケール: 10〜12(「楽である」〜「ややきつい」)
ポイント は「痛みが出ない範囲での可動域運動」を優先すること。速く漕ぐ・強い負荷をかけることは目的ではありません。サドル高を高めに設定して、膝の過屈曲を避けるのも重要です。
前十字靭帯(ACL)再建術後や、下肢のスポーツ外傷手術後のリハビリでは、患部への過負荷を避けつつ、段階的に筋力・可動域・持久力を再獲得 することが求められます。下肢人工関節置換術後の患者さんには筋力アップや関節可動域の拡大が必要です。エアロバイクは、そのすべてに無理なく対応できる数少ない器具です。
目的: 下肢筋力・可動域・持久力の再獲得
早期: 無抵抗・低回転で 5〜10分(術後1〜2週から可動域改善目的で導入)
中期: 軽負荷で 10〜20分(術後4〜8週、筋力回復期)
後期: 中負荷で 20〜30分(術後3ヶ月以降、競技復帰準備期)
目標心拍数: 最大心拍数の 50〜70%(20歳の方なら約100〜140拍/分)
Borgスケール: 11〜13(「楽である」〜「ややきつい」)
⚠️ 重要な注意事項
スポーツ外傷術後のリハビリは、必ず主治医・理学療法士の指示のもとで実施してください。膝装具装着中でも実施可能(サドル高で伸展制限に配慮)ですが、急な立ち漕ぎ・高負荷は禁止(縫合部・移植腱への剪断力を回避するため)。左右均等なペダリングを意識し、患側荷重は徐々に増やしていきます。
運動強度を客観的にコントロールするための最もシンプルな指標が「目標心拍数」です。
最大心拍数(bpm) = 220 − 年齢
例えば60歳の方であれば、最大心拍数の目安は 220 − 60 = 160拍/分。中強度(60〜70%)で運動する場合、目標心拍数は96〜112拍/分 となります。
安静時心拍数(HRrest)を考慮する式で、個人の体力レベルをより正確に反映できます。
目標心拍数 = (HRmax − HRrest) × 運動強度(%) + HRrest
安静時心拍数が60拍/分の60歳の方が、50%強度で運動する場合:
(160 − 60) × 0.5 + 60 = 110拍/分
「220 − 年齢」はあくまで 統計的な目安 です。個人差が大きく、心疾患・高血圧・糖尿病・自律神経失調症をお持ちの方や、β遮断薬などの降圧薬を服用中の方 は、心拍数が薬理学的に抑制されるため、この式が当てはまりません。次項で述べる Borgスケール(自覚的運動強度) を優先してください。
関節に問題がなく屋外歩行を楽しめる方はウォーキングも良い選択肢ですが、膝・股関節・足関節に問題がある方、術後の方、天候に運動を左右されたくない方には、エアロバイクが第一選択 となります。
医療法人 なごみ整形外科リウマチクリニック では、リハビリテーション室に エアロバイク(自転車エルゴメーター) を設置し、医師・理学療法士の指導のもと、患者さん一人ひとりに合わせた運動プログラムを提供しています。物理療法の一環で利用可能です。希望される方はスタッフまでお声がけください。運動習慣が定着すればご自身で自宅にエアロバイクを設置したり、ジムに通ったりご自身で運動を勧めていただきたいと思います。
目的により異なりますが、健康維持目的であれば 1回10~20分・週3回 を最低ラインの目安としてください。ダイエット目的なら20〜30分・週3回以上、可動域訓練・術後リハビリなら5分から始めて徐々に延長します。
痛みのない範囲での実施 が原則です。エアロバイクは膝への負担が少ないため、変形性膝関節症の方でも継続可能なことが多いですが、初回は必ず医師・理学療法士による評価を受けてから開始してください。サドル高を適切に設定するだけで痛みが軽減するケースもあります。
中〜低強度であれば毎日実施しても問題ありません。ただし高強度で行う場合は、筋肉の回復のため 週に1〜2日は休息日 を設けてください。
必ずしも心拍数を厳密に測定する必要はありません。Borgスケール(自覚的運動強度)を活用してください。「話しながら運動できる程度(Borg 11〜13)」 であれば、多くの方にとって安全な中強度の範囲に入っています。最近はスマートウォッチなどのウェアラブルデバイスで健康管理をしておられる方が増えていますので、デバイスで心拍数を管理するのも有力です。
はい、家庭用でも十分効果はあります。ただし サドル・ハンドル高が適切に調整できるモデル、プログラムが選択できるモデル、負荷が段階的に設定できるモデル を選んでください。当院では初回に適切な設定方法をお伝えしています。エアロバイクを置くスペースがない方はステッパーなどで代用しても構いません。
個人差はありますが、継続3〜4週間で持久力の向上、8〜12週間で筋力の向上と体組成の変化 を感じる方が多いです。まずは3ヶ月続けることを目標にしましょう。

中谷 宏幸
整形外科医、リウマチ医
整形外科専門医、日本リウマチ学会専門医・指導医。大阪大学医学部整形外科教室に入局リウマチグループに所属して、リウマチ医、下肢人工関節、足の外科医として基幹病院での勤務医を経て2022年なごみ整形外科リウマチクリニックを開業
リウマチ性疾患の薬物治療、関節疾患(特に下肢関節)ペインクリニック(エコーガイド下ブロック・ハイドロリリース)、骨粗しょう症治療、足・膝・股関節、小児整形、リハビリテーション
日本リウマチ学会奨励賞
ISTU(国際超音波治療学会)Young investigator`s awardなど