〒567-0801大阪府茨木市総持寺1丁目3-2
総持寺クリニックビル3階
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※休診日:水曜日午後、土曜日午後、日・祝
※電話受付:8:45~12:00 / 15:45~19:00 / 土曜日のみ 8:45~13:00
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先週から右膝がパンパンに張って、曲げ伸ばしが辛くなりました。近所の人から「膝に水が溜まっているんじゃないか、でも抜くと癖になるから抜かないほうがいい」と言われました。病院に行くべきか迷っています。水は抜いたほうがいいのでしょうか?

「抜くと癖になる」は誤解です。
膝の水は原因となる炎症が続く限り溜まり続けるものであり、抜くこと自体が癖になるわけではありません。むしろ放置すると痛みと炎症が悪化します。膝が腫れて動かしにくい状態が続くなら、早めに整形外科を受診してください。
膝関節の内側には「滑膜(かつまく)」という薄い膜があり、関節の動きを滑らかにする関節液を分泌しています。通常は少量ですが、膝に炎症が起きると滑膜が過剰に関節液を産生し、これが「水が溜まった」状態です。
| 原因 | 特徴 |
|---|---|
| 変形性膝関節症 | 中高年に最多。軟骨の摩耗による慢性炎症 |
| 半月板損傷 | スポーツや外傷後に多い |
| 関節リウマチ | 両膝、時に片側に溜まる |
| 痛風・偽痛風 | 急激な腫れと熱感を伴う。高尿酸血症に基づく。 |
| 外傷(打撲・捻挫) | 受傷後に急に腫れる |
関節液は穿刺して性状を調べることによってある程度肉眼で判断が可能で、さらに検査をすることによって多くの場合正確な診断が可能です。
| 疾患 | 関節液の性状 | 白血球数(/μL) | 特徴 |
| 外傷・靱帯断裂 | 血性 | 測定不能〜数万 | 脂肪滴があれば骨折疑う |
| 変形性関節症 | 黄色透明 | 200 〜 2,000 未満 | 性状の関節液に近い |
| 関節リウマチ | 黄色〜黄白色 混濁 | 2,000 〜 50,000 | 白血球内に免疫複合体を貪食した像(ラゴサイト)が見られる |
| 痛風・偽痛風 | 黄色〜乳白色 混濁 | 2,000 〜 50,000+ | 偏光顕微鏡で尿酸は針状の尿酸塩結晶、偽痛風はピロリン酸カルシウム結晶 |
| 化膿性関節炎 | 黄白色〜緑白色 膿性 | 50,000 〜 100,000+ | 糖濃度低下、グラム染色・細胞培養で菌が同定される |

『抜くと癖になる』という誤解で来院が遅れる患者さんが非常に多いです。
実際には膝に水が溜まる原因(炎症)が続く限り、抜いても抜かなくても水は再び溜まります。水を抜くこと自体は癖になりません。むしろ水を溜めたままにしておくと、関節内の圧力が上がり痛みが増し、関節全体や靱帯、軟骨へのダメージが蓄積されます。
当院では積極的に穿刺(水抜き)を行っており、抜いた水の性状を確認することで原因疾患の診断にも役立てています。水を抜いた後に注射療法(ヒアルロン酸など)を組み合わせることで、炎症を抑えながら関節の保護を図ることができます。
膝の腫れ・水溜まりでお困りなら、まずご相談を。
注射器+針で関節液を穿刺します。。怖がる患者さんは多いですが、目に見えて腫脹している場合は穿刺も容易です。抜いた液の色・量・性状を確認し、必要に応じて検査に出します。
炎症を抑えるために消炎鎮痛薬の内服・外用薬を処方します。痛風・偽痛風が疑われる場合は原因に合わせた薬を使用します。
変形性膝関節症に対しては、関節内へのヒアルロン酸注射で軟骨保護と炎症抑制を図ります。
ステロイドによる強力な抗炎症作用により、水腫の貯留の軽減が期待できます。しかし一方で、ステロイドは骨や軟骨にダメージを与えるため、頻回に行なうべきではないと考えられています。
ある程度腫脹・疼痛が軽快した後は、膝周囲筋(特に大腿四頭筋)を強化することで関節への負担を軽減します。当院の理学療法士が個別プログラムを組みます。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 膝が腫れて曲げ伸ばしが辛い | 精査のため受診を推奨 |
| 腫れに加えて熱感・赤みがある | 至急受診(感染・痛風の可能性) |
| 外傷後に急に腫れた | すぐに受診 |
| 繰り返し水が溜まる | 原因の精査が必要、受診を |
膝の水は放置せず、原因から治療しましょう。
通常は細い針を使用しますが、スムーズに関節液を廃液するためには、18G針の太い針で穿刺が必要です。局所麻酔を使用することもあります。所要時間は数分程度です。
原因となる炎症が続く限り再発します。変形性膝関節症では数日〜数週間で再び溜まることもあります。ヒアルロン酸注射やステロイド注射、リハビリを組み合わせて炎症をコントロールすることが再発予防につながります。
保存療法(水抜き・注射・リハビリ)で症状がコントロールできない重度の変形性膝関節症では、人工膝関節置換術を検討することがあります。ただしまずは保存療法を十分に行うことが基本方針です。
両膝への水溜まりはリウマチを含む全身性の炎症疾患でも起こります。当院では血液検査(CRP・リウマチ因子・抗CCP抗体など)を組み合わせて鑑別診断を行います。

中谷 宏幸
整形外科医、リウマチ医
整形外科専門医、日本リウマチ学会専門医・指導医。大阪大学医学部整形外科教室に入局リウマチグループに所属して、リウマチ医、下肢人工関節、足の外科医として基幹病院での勤務医を経て2022年なごみ整形外科リウマチクリニックを開業
リウマチ性疾患の薬物治療、関節疾患(特に下肢関節)ペインクリニック(エコーガイド下ブロック・ハイドロリリース)、骨粗しょう症治療、足・膝・股関節、小児整形、リハビリテーション
日本リウマチ学会奨励賞
ISTU(国際超音波治療学会)Young investigator`s awardなど