腰椎圧迫骨折 (いつのまにか骨折)とは
腰椎または胸椎の骨脆弱性(骨粗しょう症)が原因で生じる骨折です。
上位腰椎(第1・2)、下位胸椎(第11・12)の胸腰椎移行部が好発部位で放置するとさらに椎体の圧壊が進行し、持続する痛み、亀背、骨癒合不全または偽関節を生じ、時には下肢麻痺を生じる可能性があるため、発見された場合はコルセットの装着、腰背部の安静が必要です。
また、早期からのリハビリテーションが重要です。
骨粗しょう症が原因の場合は骨粗しょう症治療をしっかりしないとさらに他の椎体に骨折が生じる確率は数倍から十数倍になり、さらに亀背が進行して日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)の低下、消化器機能や呼吸機能の低下、遅発性麻痺を生じることもあります。
原因
骨粗しょう症が原因で起こります。骨折リスクが高い人は、加齢、女性(閉経)、遺伝(家族歴)、生活習慣(喫煙、過度の飲酒、運動不足、偏った食事、過度なダイエットなど)、痩身、疾患(関節リウマチ、甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症、糖尿病、慢性腎臓病など)、薬剤(副腎皮質ホルモン(ステロイド)、抗うつ剤や抗てんかん薬の一部、ホルモン治療後などが挙げられます。
検査所見
病歴と身体検査:
患者の症状、痛みの場所や程度、事故や転倒の経緯(脆弱骨折かどうか)、以前の骨折の既往歴、他の疾患の治療歴(関節リウマチ、糖尿病、慢性呼吸器疾患、慢性腎炎など)、骨粗鬆症のリスクファクターなどを確認します。
X線検査:
骨折の位置や程度を確認するために行われます。しかし過去の画像検査がない限り変形性脊椎症による椎体変形によるものか、陳旧性骨折か新鮮骨折かを判別することが困難な場合があります。
MRI検査:
脊髄や神経の損傷を詳しく調べるため、または骨折が新鮮か陳旧性かを判断するために行われることがあります。
CTスキャン:
骨の詳細な画像を取得するために行われることがあります。
血液検査:
診断基準には含まれませんが、治療開始時の現状把握、使用薬剤選択のために骨の代謝マーカーやカルシウム、ビタミンDのレベルを調べることがあります。
症状
腰痛、背部痛を自覚することが多いですが、無症状の場合も多々認めます。
治療
圧迫骨折が進行しないように、安静、コルセットの着用が必要です。それと同時に運動機能が低下しないように、リハビリテーションも重要です。また、次の骨折が生じないように骨粗しょう症治療が重要です。特に椎体骨折予防のエビデンスの高い抗スクレロスチン抗体やPTH製剤をはじめ、抗ランクル抗体やビスフォスフォネート製剤を早期から投与することが重要です。偽関節が生じ強い痛みが存損する場合、下肢しびれ疼痛など神経症状や麻痺症状が生じた場合は手術が必要な場合があります。
鑑別診断
変形性脊椎症、転移性骨腫瘍との鑑別はX線検査、MRI検査で鑑別が可能です。新鮮骨折陳旧性骨折かを判別することが重要です。
予防
早期に骨粗しょう症を診断して治療を開始することが重要です。少なくとも60歳以上の方は一度骨密度検査を受けてみることをお勧めします。腰椎と大腿骨近位部を測定して診断し、治療効果判定するのが世界基準であり最も有効な測定方法です。
当院での治療方針
新鮮骨折で疼痛が強い場合は入院治療をお勧めします。コルセット作製、リハビリテーションもなるべく早期に行うべきと考えます。
次の骨折を起こさせないために早期から骨粗しょう症治療を開始することが重要です。
腰部脊柱管狭窄症とは
腰部脊柱管狭窄症(lumber canal stenosis:LDH)は、加齢による変性のため脊柱管内の黄色靱帯の肥厚、椎間板の変性による脊柱管への突出、椎間関節の変性・肥厚により脊柱管の狭窄が生じて脊髄神経(馬尾神経)や神経根を圧迫するため、神経への血流が低下することで様々な症状が出現する病態です。
原因
変形性腰椎症:
加齢に伴う椎間板の変性や黄色靱帯の肥厚、椎間関節の変形・肥厚・骨棘が原因となることが多く認められます。
腫瘍:
硬膜外腫瘍など脊椎や脊柱管内に腫瘍が成長すると、これが脊柱管の狭窄の原因となることがある。
外傷:
交通事故や転倒などの外傷が原因で脊柱に損傷が生じ、それによって脊柱管が狭窄することがある。
先天的要因:
生まれつき脊柱管が狭い人もいます。
検査所見
問診:
患者の自覚症状や発症の経緯、過去の疾患や手術歴などを詳しく聞き取ります。
物理診察:
腰や下肢の筋力、反射、感覚などをチェックし、神経の障害を評価します。特に直立時や歩行時の症状と、腰を前に曲げた時の症状の変化を確認することで、脊柱管狭窄症の可能性を高めることができます。
レントゲン:
脊椎の骨の状態や骨棘、変位などの骨の異常を確認するために行います。ただし、レントゲンでは軟部組織の状態(例:椎間板や黄靭帯の状態)は確認できません。
MRI(磁気共鳴画像法):
軟部組織を含む脊柱全体の状態を高解像度で確認することができます。椎間板の変性や突出、黄靭帯の肥厚、脊柱管の狭窄部位などの詳細を視覚的に捉えることができます。
CT(コンピュータ断層撮影):
骨の詳細な構造を高解像度で確認することができます。MRIと併用されることも多いです。
ミエログラフィー:
染料を脊柱管に注入し、その分布をX線撮影で確認することで、狭窄部位を特定することができます。ただし、現代ではMRIの普及により、この検査が行われることは少なくなっています。
神経伝導速度検査:
神経の機能障害の程度や位置を確認するための検査です。
症状
典型的には両下肢に症状が出現しますが片側発症や左右差があることもあります。
腰痛:
狭窄部位の炎症や圧迫による腰痛が生じることがあります。
間欠性跛行:
腰部脊柱管狭窄症の最も典型的な症状です。長時間歩く、立つ、あるいは背筋を伸ばすと脚や臀部に痛みやしびれを感じること。これらの症状は休憩を取ったり、前屈みになることで脊柱管が拡がり、軽減されることが多いのが特徴です。
下肢のしびれや痛み:
圧迫された神経根に起因する脚や臀部への放散痛やしびれを自覚することが多いです。
筋力の低下:
圧迫されている神経の支配領域における筋力の低下が生じることがあります。
膀胱直腸障害:
重度の脊柱管狭窄症では尿意消失による排尿障害や便意の消失などが挙げられ、緊急の治療が必要な場合があります。
夜間痛:
運動時に悪化するのではなく、安静時でも痛みが感じられることが多いです。
ABI(足首と上腕の血圧比):
下肢閉塞性動脈閉塞症との鑑別のためにABIが有用である。
治療
■非手術的治療
軽度から中等度の症状の場合、まず保存的治療が試みられます。
薬物療法:
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やオピオイド鎮痛剤、プロスタグランディン製剤が処方され、痛みや炎症の軽減を目指します。
理学療法:
筋肉を強化し、関節の可動域を増加させることで、症状の軽減を目指します。
硬膜外注射:
狭窄部にステロイドを注射し、炎症や痛みを抑制します。腰部硬膜外ブロックまたは仙骨硬膜外ブロックがあります。
生活習慣の改善:
体重の減少や適切な体操、姿勢の矯正など、日常生活の中で腰への負担を減少させる方法が奨励されることがあります。
■手術的治療
非手術的治療での症状の改善が得られない場合、または神経の障害が進行している場合には、手術が適応となることがあります。
保存療法で十分な効果が得られないときには手術療法が勧められます。一方で進行性の下肢麻痺や膀胱直腸障害が生じているときは緊急性を要することがあります。
開窓術:
全身麻酔下に狭窄部を広げるために、肥厚した黄色靱帯、椎間関節の一部を取り除いて神経の除圧を行なう古典的な手術です。
鏡視下脊椎開窓術(MEF法):
全身麻酔下カメラを挿入して骨や肥厚した靱帯組織、椎間板ヘルニアを切除する手術。
椎間板手術:
椎間板ヘルニアが狭窄の原因となっている場合、突出している椎間板を取り除く手術が行われることがあります。
脊柱固定術:
不安定な脊柱を固定するための手術。通常、他の手術と併せて行われます。
その他低侵襲手術やレーザー治療などがありますが、切除範囲が限定されて症状が残存してしまう可能性があり、個人的にはあまりお勧めできません。
治療の選択は、患者の年齢、一般的な健康状態、症状の重度、検査結果などに基づいて、医師と患者の間で相談の上、決定します。
腰椎椎間板ヘルニアとは
腰椎椎間板ヘルニア(Lumber Disc Herniation:LDH)とは、腰椎の椎体はその間にある椎間板という組織が介在しています。椎間板は軟骨でできた線維輪とその中心にはある髄核から構成されており、髄核が線維輪を突き破ったり、線維輪自体が突出して神経根(神経の枝分かれ)を圧迫することにより神経根症状が生じます。椎間板が脊柱管内に突出した状態を椎間板ヘルニアといいます。
原因
老化:
椎間板は年齢とともに水分を失い、乾燥・硬化してくる。これにより、椎間板が破れやすくなり、突出しやすくなる。
過度な負荷:
重いものを持ち上げる際の不適切な体の使い方や、急なねじり動作などにより、腰に過度な負荷がかかるとヘルニアのリスクが高まる。
外傷:
事故や怪我による直接的な打撃が、椎間板にダメージを与えることがある。
遺伝的要因:
家族にヘルニアの既往がある場合、椎間板ヘルニアのリスクが高まる可能性がある。
肥満:
体重が増加すると、脊椎にかかる負担も増え、椎間板への圧力が増加する。
繰り返す体の動作:
負荷のかかった一定の動作を繰り返す職業や活動、特に腰に負荷をかけるものは、椎間板の摩耗を早める可能性がある。
生活習慣:
長時間の座り仕事や不適切な姿勢、不十分な運動もヘルニアのリスクを増加させる要因となることがある。
喫煙:
喫煙は椎間板の栄養供給を妨げるとされ、これがヘルニアのリスクを高める可能性がある。
検査所見
■保存的治療
多くの場合、手術を必要とせずに症状が改善します。
安静:
一時的に活動を制限し、腰への負担を減少させる。
薬物治療:
痛みや炎症を和らげるための非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、筋弛緩剤、鎮痛薬などが使用されることがあります。
物理療法:
強化、ストレッチ、そして姿勢教育を中心としたプログラムが推奨されることが多い。
エピドゥーラルステロイド注射:
椎間板ヘルニアによって圧迫されている神経の炎症を和らげるためのステロイド注射。
■手術的治療
保存的治療が効果を示さない場合や、症状が重度で神経機能に悪影響が出ている場合に検討される。
ミクロディスケクトミー:
顕微鏡を用いて突出している椎間板の部分を除去する手術。
エンドスコピックディスケクトミー:
細い管を使い、カメラを挿入してヘルニアの部分を取り除く手術。
腰椎固定術:
椎間板を取り除き、腰椎を固定する手術。大きなヘルニアや椎間板が複数箇所に存在する場合などに選択されることがある。
■代替医療
いくつかの代替医療もヘルニアの症状の軽減に効果的とされています。
カイロプラクティック:
脊椎の調整を行い、神経の圧迫を和らげる。
鍼治療:
中国伝統医学の手法で、特定のツボに鍼を刺すことで痛みを和らげる。
症状
椎間板ヘルニアの下肢症状はヘルニアの形態によって異なります。多くはヘルニアが突出した側の片側性、時に両側性です。出現した症状によって障害レベルの予測が可能です。
腰痛:
多くの患者が腰痛を主訴とします。痛みは急性または慢性で、片側性または両側に生じることがあります。
坐骨神経痛:
ヘルニアによって圧迫された神経が大腿部の裏、下腿、足の裏、または足の指に放散する痛みを引き起こすことがあります。この痛みはしびれやピリピリ感と一緒に発生することもあります。
筋力低下:
圧迫された神経の領域に支配される筋肉の筋力が低下することがあります。例えばL5根の障害であれば足趾足関節の背屈運動、股関節の外転運動が障害されます。
感覚異常:
足や大腿・下腿の一部にしびれ、または感覚鈍麻を感じることがあります。例えばL5根の障害であれば下腿外側、足背部に症状が現れることが多いです。
反射の異常:
足の反射が低下したり、消失したりすることがあります。L4根神経障害では膝蓋腱反射、S1根神経障害ではアキレス腱反射の低下を認めます。
電撃痛症状:
腰を深く曲げると、 腰から足にかけての急激な痛みが、鞭を打たれたような感じを伴うことがあります。
膀胱直腸障害:
まれに、腰椎椎間板ヘルニアが尾骨の下の神経(馬の尾)に影響を与えることで、排尿や排便の障害が発生することがあります。これは緊急を要する症状となります。
治療
■保存的治療
多くの場合、手術を必要とせずに症状が改善します。特に急激に髄核が線維輪を穿破して突出した椎間板ヘルニアは徐々に吸収されて消退する可能性が高く、耐えられない激痛であったり筋力低下や膀胱直腸障害が出現していない限りは保存療法が望ましいと考えます。
安静:
一時的に活動を制限し、腰への負担を減少させる。
薬物治療:
痛みや炎症を和らげるための非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、筋弛緩剤、鎮痛薬などが使用されることがあります。坐骨神経痛による下肢痛が強い場合はカルシウム・チャンネルα2-δリガンドであるプレガバリン(リリカ)やミロガバリンベシル酸塩(タリージェ)が著効する場合があります。
理学療法:
強化、ストレッチ、そして姿勢教育を中心としたプログラムが推奨されます。
硬膜外注射:
椎間板ヘルニアによって圧迫されている神経の炎症を和らげるためにステロイド注射を行います。
■手術的治療
保存的治療が効果を示さない場合や、症状が重度で神経機能に悪影響が出ている場合に検討します。
顕微鏡下椎間板摘出術(MD法):
全身麻酔下顕微鏡を用いて突出している椎間板の部分を除去する手術。
鏡視下椎間板摘出術(MED法):
全身麻酔下カメラを挿入してヘルニアの部分を取り除く手術。
椎間板切除術(LOVE法):
一般的な手術方法。
PELD法(経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術):
全身麻酔下内視鏡下椎間板を切除します。
ヘルニコア(椎間板内酵素注入療法):
局所麻酔下での処置が可能な腰椎椎間板ヘルニアに対する新しい治療方法として、椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア)があります。この薬剤には酵素が含まれており、椎間板内に直接注入して、ヘルニアによる神経の圧迫を弱めます。
腰椎固定術:
椎間板を取り除き、インプラントで腰椎を固定する手術。大きなヘルニアやすべり症など不安定性がある場合などに選択されることがあります。
■代替医療
いくつかの代替医療もヘルニアの症状の軽減に効果的とされています。
カイロプラクティック:
脊椎の調整を行い、神経の圧迫を和らげる。
鍼治療:
中国伝統医学の手法で、特定のツボに鍼を刺すことで痛みを和らげる。
PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術):
局所麻酔にて背中から穿刺針を挿入し、針を経由してレーザーファイバーを通します。椎間板内の髄核(ヘルニア部分)に対してレーザーを照射し、蒸散させることで椎間板内の圧力を弱め、椎間板内を収縮させる方法です。保険外治療になります。
治療の選択は患者さんの状態や希望、リスク、医師の意見などに基づいて行われるべきです。正確な診断と治療のためには、専門医の診察が必要です。
脊椎側弯症とは
特発性側弯症とは、特定の明確な原因が不明の側弯症を指します。特に思春期に発症することが一般的です。治療は湾曲の程度、患者の年齢、成長の余地などによって異なります。
原因
その名前の「特発性」は、その原因が特定できないことを意味します。しかし、特発性側弯症の原因についての研究は続けられており、以下の要因が影響を及ぼしている可能性が考えられています。
遺伝:
特発性側弯症は家族内で他のメンバーにも見られることがあるため、遺伝的な要因が関与していると考えられています。
神経系の変化:
一部の研究では、神経系や脊髄の変化が側弯症の発症に関与している可能性が示唆されています。
ホルモンの変動:
思春期のホルモンの変動が、脊柱の成長や変形に影響を与える可能性があります。
筋肉や骨の非対称な成長:
一部の子供たちは骨や筋肉の成長が非対称であるため、脊柱が湾曲する可能性があります。
他の要因:
微小な血流障害や脊柱の組織の変化など、他のさまざまな要因も側弯症の発症に影響を及ぼしている可能性が考えられています。
検査所見
■身体的所見
患者さんの背中を検査し、肩の高さ、肩甲骨の位置、腰の位置や高さ、および腰部の筋肉の均等性を確認します。
前のめりになってもらい、肋骨の高さやバランスの違いを確認する「アダムスの前屈テスト」も実施されることがあります。
X線検査:
X線は骨の構造を明確に示し、側弯の角度(コッボ角)を測定するのに非常に役立ちます。弯曲の程度はX線正面像の所見に基づく角度(コブ角)により定量化します(コブ法)。X線検査を定期的に行うことで、側弯症の進行度を追跡することができます。
MRI 検査:
特発性側弯症の場合は通常必要ありませんが、神経系の異常や腫瘍などの他の原因が疑われる場合にはMRIが推奨されることがあります。
EOSイメージング:
これは、従来のX線に比べて放射線量が非常に低い新しいX線イメージングシステムであり、特に若い患者に対して複数回の放射線撮影が必要な場合に有用です。
コンピュータ断層撮影 (CT):
この検査は通常、特発性側弯症の初期診断には使用されませんが、骨の詳細や手術前の詳細な評価が必要な場合に役立ちます。
症状
・肩の高さの非対称
・頭が中央の位置からずれている
・体の片側がもう一方より前に出ている
・非対称の腰
・体の片側の肋骨がもう一方よりも隆起している
治療
観察:
軽度の側弯(湾曲が10度以下)では、特に治療の必要はありませんが、定期的な医師の診察やX線検査で状態を監視することが重要です。
ブレース療法:
中等度の弯曲(コブ角20度から40度程度)で、患者がまだ成長期にある場合、ブレースを用いることで弯曲の進行を防ぐことができる場合があります。
ブレースは主に胴部にフィットし、日常生活を大きく妨げないように設計されています。
手術:
重度の弯曲(コブ角40度以上)や、ブレースによる治療が効果を示さない場合、または成人で湾曲が進行している場合などに手術の選択が考えられます。
手術では、主に脊柱を固定するためのネジや棒を用いて、脊柱を正しい位置に固定します。手術後はリハビリが必要となる場合が多いです。
物理療法や運動療法:
特定の運動やストレッチングが、特発性側弯症の進行を予防または遅延させる可能性があると考えられています。
しかし、これらの療法が特発性側弯症を「治療」するものではないことを理解することが重要です。