
大阪府茨木市総持寺1丁目3-2
総持寺クリニックビル3階

診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日/祝 |
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9:00~12:00 | ● | ● | ● | ● | ● | 13:00 まで |
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16:00~19:00 | ● | ● | ● | ● |
※休診日:水曜日午後、土曜日午後、日・祝
※電話受付:8:45~12:00 / 15:45~19:00 / 土曜日のみ 8:45~13:00
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整形外科分野における再生医療は、患者自身の細胞を用いて関節内の炎症を抑えたり、損傷した組織を修復したりする治療法です。
変形性関節症や関節に痛みを引き起こすケガ(例: 軟骨、半月板、靭帯の損傷)スポーツ外傷などの状態に応じて、関節治療のアプローチが異なります。
一例として変形性膝関節症の治療を例に挙げます。変形性関節症による痛みや可動域制限によるADL(日常生活動作)の悪化に対して薬物療法、注射療法、ブロック療法、リハビリテーションなどの保存療法が一般的に行なわれます。
いわゆる痛み止めと言われているロキソニンなどの非ステロイド性消炎鎮痛薬の長期使用は胃腸障害や腎機能障害のリスクを高めます。ヒアルロン酸注射やリハビリテーションも有効ですが、末期変形性膝関節症の状態まで進行した患者さんには効果に限界があります。
一般的には人工関節置換術は他の保存治療で効果が十分でなかった末期変形性関節症が対象となります。関節の変形が進行し、軟骨が大幅に減少している場合や痛みが強い場合、人工関節置換術は、重度な関節変形でも効果的に症状を改善できる有効な治療法です。
しかし、多くの患者さんのADLを改善させる一方で感染、脱臼(特に股関節や肩関節)、長期的にはゆるみ、麻酔や手術による合併症リスクもあり、残念ながらその可能性をゼロにすることは不可能です。一方で、レントゲン所見での関節症の進行の程度と痛みは必ずしも一致しておらず、比較的早期の関節症変化の場合でも強い痛みによりADLを障害することがあります。痛みは強いが人工関節置換術を受けるにはまだまだもったいない状態つまり関節の変形が進行しておらず、軟骨がまだ一定程度残っている場合、または末期関節症でも手術を受けることに抵抗のある患者さん、長期的に考えると人工関節置換術を受けるにはまだ若年であったり、合併症のため安全に手術が受けられない患者さんに対して新たな治療選択肢として再生医療が注目されています。
整形外科分野における再生医療は、従来の治療法が効果を示さなかった患者や、手術や薬物療法のリスクを避けたい患者さんにとって、新たな治療の選択肢となり得ます。また、再生医療は関節の痛みや炎症を抑えるだけでなく、テニス肘や足底腱膜炎など腱付着部症、骨折や靭帯損傷などの治療にも応用されています。
近年よく聞くようになりました再生医療は、大きく二つに分かれます。細胞移植・幹細胞・組織工学などを用いて壊れた組織や臓器を再生・修復する医療を狭義での再生医療(細胞治療)と呼んでいます。ASC療法(培養幹細胞治療法)や培養軟骨細胞移植、培養滑膜細胞移植やiPS細胞治療などがあります。ASC療法は外来治療が可能ですが、細胞移植は細胞の採取と移植に手術療法が必要です。
細胞が放出する成分のみで直接細胞を投与しない再生医療であるバイオセラピーはPRP療法(多血小板血漿療法)、PRP-FD療法(多血小板血漿凍結乾燥療法)が該当します。バイオセラピーでは治療の主役は「生理活性物質」や「抗体」などであり、組織再生を直接行うのではなく、治癒促進・炎症抑制・疼痛緩和などをサポートして組織再生を促すのが目的です。
ここでは整形外科分野の疾患の中でクリニックで外来治療として行なえる再生医療について詳しく説明します。
PRP療法とは、Platelet Rich Plasmaの略で、日本語では多血小板血漿療法と呼ばれています。これは、患者自身の血液から血小板を濃縮し、これを患部に注射する治療法です。血小板には、組織の修復や再生を促す成長因子が含まれています。PRP療法では、この成長因子を患部に直接届けることで、組織の修復を促す効果が期待できます。濃縮機器によっては血小板の濃度を調整したり、白血球成分を除去したり治療部位や障害の程度によって選択が可能なものもあります。当院では治療導入準備中です。
採取した血液成分を専門機関で3週間培養治療後PRP(多血小板血漿)を活性化、無細胞化したものを、さらにフリーズドライ(凍結乾燥)したものです。血小板の放出する成長因子を使って、治りにくい組織の修復を促したり、早く組織修復を促す方法がPRP-FD療法になります。PRP-FDには組織修復を促す働きはありますが、どのような組織を作るか、どの組織にどの程度影響があるかについて指示する働きはありません。治療薬は完成後6か月まで保存可能で、その間いつでも治療に使用が可能であり、自由度が高い治療法です。当院ではPFC-FD™が使用可能です。
培養幹細胞治療であるASC療法は軟骨や腱、筋肉同様間葉系細胞由来である脂肪細胞を用いて治療します。脂肪由来幹細胞(Adipose-Derived Mesenchymal Stem Cell)療法は、患者さんから採取した脂肪組織から間葉系幹細胞を分離して数千万~数億個ほどまで培養し培養し、幹細胞を患部に注入することにより、患部の疼痛の軽減や、損傷した組織の修復を目的とする治療です。幹細胞自体が放出するサイトカインや成長因子、エクソソームが炎症を抑えるだけでなく組織が傷んでいる箇所を、幹細胞自体が修復していくという機序が考えられます。培養期間に6週間を要し、一般的には3つの治療法の中で最も高額な治療になっています。
どの治療がいいかは患者さんの状況、疾患の種類や程度によって異なると考えられます。今後無作為盲目試験などのエビデンスが行なわれることによって徐々に明らかになってゆく可能性があります。
当院ではPRP-FD療法を行なっております。
その他の保存療法や手術療法との比較したメリット・デメリットを説明します。
新たな治療なので徐々に適応疾患が増えていますが以下のような疾患に多く用いられています
- PRPでは血液、ASCでは小切開で脂肪細胞を採取します。
- PRPでは即日血液を濃縮して投与、PRP-FD、ASCではサンプルを専門施設に送付して培養及び感染症検査を行ない、治療薬を作製します。
- PRP-FDの作製には3週間、ASCでは6週間の準備期間を要します。
- 治療薬作製後患部に注入します。正確に注入するためレントゲンやエコーガイド下に注入する場合があります。
次の条件に該当する方は再生医療を受けられない可能性があるので、ご注意ください。
再生医療は保険診療で行なう薬物療法、リハビリテーション、関節内注射やブロック療法などの標準治療で十分な治療効果が得られなかった場合やスポーツ障害などで早期復帰が必要な場合の手術療法に代わる第二の選択肢として注目されている治療法です。
十分なエビデンスが得られていないものもありますが、明確なエビデンスが得られるのを待っていたら、せっかくいい治療法があるのに治療の機会を失ってしまう場合があります。
治療を受けるにあたって最もネックにあるのは高額な治療費ですが、需要の増加、利用可能な施設の増加とともに徐々に価格が下がっている傾向にありますし、確定申告をすれば医療費控除が受けられる可能性もあります。
十分な効果が得られれば、痛みから解放されて値段以上の快適さ、治療期間の短縮やスポーツでの期待したパフォーマンスの回復が手に入る可能性があります。どの治療が最も適しているのか、その施設ではどの治療法が利用可能かを含めて治療開始に当たっては病院やクリニックにおいて主治医と十分な説明を受けたうえで納得できれば是非一度受けていただきたいと思います。