〒567-0801大阪府茨木市総持寺1丁目3-2
総持寺クリニックビル3階
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日/祝 |
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| 9:00~12:00 | ● | ● | ● | ● | ● | 13:00 まで |
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※休診日:水曜日午後、土曜日午後、日・祝
※電話受付:8:45~12:00 / 15:45~19:00 / 土曜日のみ 8:45~13:00
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本邦は未曽有の高齢化社会を迎えており、介護が必要な人口は年々増え続けています。一方で先進国内では病床数が突出していることもあり入院施設のある病院は病床数がどんどん縮小されています。さらにDPC制度が導入されている病院の入院日数は短く制限されているため、早期退院が必要であり、病院での長期療養が困難になっています。独居または老々介護で何とか頑張っている高齢者は今後さらに増加すると考えられます。今後健康寿命の延伸が課題ですが、一度かかった慢性疾患や認知機能低下、筋力低下や関節疾患に伴う生活の質の低下を抱えながら自宅での生活を快適に送るためには介護保険による様々なサービスが必要になります。しかし介護認定を受ける際の仕組みや適切な評価を受けるためのノウハウはあまり知られいません。本稿では介護保険(要介護・要支援認定)の新規申請を患者さんが行う際の実務的な手順と、注意すべき点について解説します。
① 申請(窓口・代行)
実務のコツ:申請時点で「急いでサービスが必要(退院が近い等)」を窓口に伝えると、その後の段取り(調査日程調整等)がスムーズになりやすいようです。
② 認定調査(訪問調査)
③ 主治医意見書(市区町村が医師へ依頼)
④ 介護認定審査会 → 認定結果通知
申請のあった患者さんの介護度判定の最終決定は介護認定審査会で行なわれます。介護認定審査会は各分野の専門家として医師、保健師、薬剤師など最大5名と市町村職員とからなる審査員で構成されています。当院のある茨木市では毎日20-30人程度の申請患者さんの判定を行なっております。調査票で得られたデータをアルゴリズムに載せると自動的に数値を根拠に介護度を評価します(一次判定)。その後介護認定審査会は主治医意見書との整合性を確認しながら最終的な介護度と有効期間を決定します。私も月に1回程度介護認定審査員として審査会に出席していますが、匿名化された30名程度の患者さんのデータを数時間かけて予習・準備して真剣に会議に臨んでいます。基本的に事前調査から算出したデータから数値で介護度が決まってしまいますが、実際にはその患者さんの社会的背景や疾患や疾患の進行度は様々なので、数値通りでは適切ではない事もあります。急に介護度が下がると今まで受けていたサービスが受けられなくなり、QOL(生活の質)の低下やその後ADL(日常生活動作)の低下や介護度の悪化につながる可能性があります。一次判定の結果が適切でないと判断した場合、みんなで適切ではない根拠を考えて、審査員みんなの同意が得られれば変更します。一方で『この人はかわいそうだから介護度を上げてあげよう』とか『この人は意外に元気そうだからこんなサービスは必要ないだろう』など根拠のない結果は導き出せません。一次判定と異なる介護度を選択したり、区分変更申請などで前回と異なる介護度を決定する際には必ず根拠が必要です。介護認定審査会では専門家の目で見て必要な人には必要なサービスを受けられるよう知恵を絞りながら議論し、あるいはサービスが過剰になっていないかを評価して介護度の決定をしています。判定結果においてノルマがあるわけではないですし、ボーナスがあるわけではないので第三者として公平な視点で判断しています。
今の生活機能(ADL/IADL、認知・行動、医療依存度)を継続的に把握している医師が最適です。運用上は市区町村が依頼するため、患者さん側は次を行います。
依頼先候補(優先順位の考え方)
注)一般的にかかりつけ内科医師に依頼するケースが多いと思いますが、介護が必要な原因となっている疾患を診てもらっている医師に依頼する方がよいケースが多々あります。膝が痛くて歩きづらくなっているなら整形外科主治医に、精神疾患が影響している場合は精神科医に依頼する方が正確に病状を把握してくれるかもしれませんので注意が必要です。また、手術を受けた後であっても半年に1回や年に1回程度しか受診しない医師に主治医意見書を求めても、リアルタイムで患者さんの病状が評価されない可能性があります。主治医意見書を依頼する医師に迷った場合は市町村窓口介護保険担当者やケアマネージャーに相談してください。
※申請途中に退院・転院等で「どの医師が書くか」が変わると遅延しやすいため、意見書依頼先を変更する必要がある場合は介護保険担当に連絡するのがよいでしょう。
主治医意見書と認定調査の精度を上げるには、“医療情報”と“生活情報”の両方を揃えることが重要です。以下をテンプレとして患者さんに渡すと、実務で効果があります。(茨木市では患者さんが記載する問診表が添付されており、病状を把握しやすいです)
A. 医師(意見書作成医)に渡すと有用な情報(1枚で良い)
実務のコツ:可能なら訪問看護の報告書/リハの評価/ケア記録があると、生活機能の客観性が上がります。
B. 認定調査(訪問調査)で“ズレ”を減らす工夫
調査後病状が急激に悪化した場合や調査時に一時的に調子が悪かったり良かったりすると正確な判定が行われない場合があります。調査員は毎日その患者さんの様子を見て判断するわけではないですし、審査委員は実際に患者さんを診て評価するわけではないので、患者さんの必要な介護度と決定された介護度に大きく隔たりが生じる場合がごくまれに生じます。認定結果に不満があるときは、目的に応じて以下を使い分けます。
手段①:審査請求(不服申立て)
向いているケース
手段②:区分変更申請(状態変化/実態に合わない場合の再認定)
向いているケース
以上介護申請に際し必要な手順、仕組み、適切な介護度評価のために必要な注意点についてお話ししました。特に勤務医の時よく経験したことですが、診察の時には何も言っていなかったのにある日突然市町村から患者さんからの依頼で主治医意見書の記載を求められることがありました。数か月から年に1回程度しかお会いしないあんまり記憶にない患者さんの介護度を適切に評価せよと言われても無理があると常々思っておりました。また、ただでさえ外来・検査・手術で多忙な勤務医にとって何の報酬ももらえない書類作成に時間を取らせるのは気の毒です。個人的には身近でアクセスしやすく、ご自身の事をよく知ってくださっている開業医、かかりつけ医に依頼、相談するのがよいと考えます。
申請に際して、市町村職員さん、主治医、調査員さんとの十分な意思疎通が適切に介護度評価を受けるための鍵であると考えます。介護申請の際には遠慮せず相談しましょう。